受注メール・FAXから納期回答書を自動生成|FlowSyncのAIエージェントで製造業の受注対応を自動化
「FAXが届くたびに担当者が工程表とにらめっこして、電話でお客様に折り返す」——そんな受注対応がまだ続いているなら、その業務フローはいま最もDXの恩恵を受けやすい領域のひとつです。
【Before】メール・FAX受注の何が非効率なのか
中小製造業の受注対応現場では、いまも多くの企業がメールやFAXで注文を受け取り、担当者が手動で工程を確認し、電話やメールで納期を回答するという流れを繰り返しています。一見「それで回っている」ように見えても、内側には深刻な非効率が潜んでいます。
工程の空き状況や在庫の持ち方は、長年の経験を持つ担当者の頭の中にある情報に依存しがちです。その人が不在・退職した瞬間に回答業務が止まります。
受注から納期回答まで平均で1〜2営業日かかるケースも珍しくないとされています。競合が即日回答できる体制を整えれば、それだけで受注を奪われるリスクがあります。
FAXの内容をExcelに手入力し、納期回答書をWordで作成してPDFに変換してメール送信——このプロセスで転記ミスが発生すると、後工程でのクレームや再対応コストが膨らみます。1件あたりの処理時間が平均25〜40分かかっているケースも多く見られるとされています。
それとも、ルールさえ整理すれば自動化できる業務ですか?
【After】FlowSync×AIエージェントで実現する自動フロー
FlowSyncとAIエージェントを組み合わせることで、受注対応の一連フローをほぼノータッチで完結させることができます。2026年以降、こうした「非定型業務まで含めた自動化」の実装事例が中小製造業でも急速に広がりつつあるとされています。
従来のRPA(Robotic Process Automation:あらかじめ決めた手順を自動実行するソフトウェア)は「完全に定型化された処理」しか扱えませんでした。AIエージェントはメール本文の読み取りや曖昧な数量・品番の解釈など、非定型・例外処理まで対応できる点が根本的に異なります。
自動化フローの全体像
メール受信ボックスまたはFAX-OCR(紙をデータ化する技術)からFlowSyncが受注情報を読み取り、品番・数量・希望納期などの項目を自動抽出します。AIエージェントが文面の揺れ(「品番:A-001」「品名A001」など)を吸収して正規化します。
抽出した品番と数量をもとに、基幹システムまたはFlowSync内の在庫マスタ・工程カレンダーをリアルタイムで参照します。「在庫あり→即納」「在庫なし→最短製造完了日を計算」という分岐もルールベースで自動判定します。
照会結果をもとに「納期回答書_[受注番号]_[日付].pdf」という形式のPDFを自動生成し、受注元へのメールに添付して送信します。1件あたりの処理時間は平均30分→約45秒に短縮できるとされています。
FS Blueprintで業務フローを設計する手順
FlowSyncの設計ツール「FS Blueprint」を使えば、プログラミングの専門知識がなくても上記フローを視覚的に組み上げることができます。設定の主要ポイントを3つ紹介します。
① 受注入力画面の構成
FS Blueprint上で受注入力フォームを作成します。設定する入力項目は「受注元コード」「品番」「数量」「希望納期」「備考」の5項目が基本構成です。AIエージェントが自動入力した内容を担当者が確認・修正できる「確認ステップ」ボタンを画面に配置することで、完全自動化と人的チェックのバランスを保ちます。
② 在庫参照ロジックの設定
FS Blueprint内の「データ連携ブロック」を使い、基幹システムのAPIまたはCSVエクスポートと接続します。在庫数が発注数量以上であれば「即納フラグ:ON」、不足の場合は製造リードタイム(製品完成までの所要日数)を参照して最短納期日を計算するロジックをノーコードで設定できます。
③ 帳票出力テンプレートの設定
納期回答書の帳票テンプレートはExcelまたはFS Blueprint標準のPDFエディタで作成します。「{{受注番号}}」「{{回答納期}}」「{{担当者名}}」などのプレースホルダー(自動で値が差し込まれる箇所)を設定するだけで、出力時に実データが自動反映されます。テンプレートは得意先ごとに複数保持できるため、書式が異なる複数取引先にも対応可能です。
導入ステップと注意点
既存基幹システムとの連携設計
最初に確認すべきは、既存の生産管理システムや在庫管理システムがAPIを公開しているか・CSVエクスポートが可能かという点です。多くの中小製造業では旧来型のシステムを使っており、直接接続が困難な場合があります。その場合はFlowSyncの「スケジュールCSV取込」機能を使い、日次・時間次でデータを同期する方式から始めるのが現実的です。
例外対応ルールの定め方
AIエージェントが対応できない例外(初回取引先からの注文・特殊仕様品・大口注文など)は、「例外フラグ」を立てて担当者に通知するルールをあらかじめ定義しておくことが重要です。FS Blueprint上では「条件分岐ブロック」を使って「数量が○件以上→担当者確認へ転送」という設定が可能です。例外処理を人に任せる設計を最初から組み込むことで、自動化の失敗リスクを大幅に下げられます。
導入初月は月50件の受注対応が月次30時間の手作業を要していたケースで、FlowSync導入後は同件数を約3時間で処理できるようになった想定値があります。担当者はその分、例外対応や顧客折衝などの付加価値業務に集中できます。
まとめ
- 課題の本質:受注対応の属人化・回答遅延・転記ミスは、ルールの整理さえできれば自動化で解決できる
- FlowSync×AIエージェントで「受注取込→在庫・工程照会→納期回答書自動生成→メール送信」を一気通貫で自動化できる
- FS Blueprintの受注入力画面・在庫参照ロジック・帳票テンプレートの3設定が自動化の核心
- 既存システムとの連携設計と例外対応ルールを最初に定めることが、導入成功のカギとなる