「倉庫の棚を見ても、どのドラム缶に何リットル残っているか分からない」「SDS(安全データシート)がどこにあるか探すのに10分かかる」——化学品・塗料メーカーの危険物担当者なら、一度はこうした状況に直面したことがあるはずです。紙台帳とExcelの二重管理が当たり前になった現場では、法規制違反リスクと在庫ロスが静かに積み重なっています。
Before:危険物在庫管理の現場実態
中小の化学品・塗料メーカーでは、入出庫のたびに紙の台帳へ手書き記録し、月次でExcelに転記するという運用が一般的です。記録する担当者が休むと台帳の更新が止まり、誰も現在の在庫数を正確に把握できない「属人化」が常態化しています。
SDS(Safety Data Sheet=安全データシート)は危険物の取り扱い・保管・緊急対応に必要な法定文書ですが、品目ごとにフォルダが異なり、改訂版が混在しているケースが散見されます。「どのSDSが最新か」の確認だけで1回あたり10〜15分を要するケースもあり、現場作業の中断につながっています。
消防法が定める危険物の指定数量倍数や、毒物劇物取締法(毒劇法)に基づく帳簿記録義務は、指定数量以上の無許可貯蔵・取り扱いは消防法違反となり、毒劇法に基づく帳簿記録義務の不履行も法令違反となります。Excel管理では保管上限に近づいても自動で警告が出ないため、担当者の記憶と勘に頼る綱渡り運用になりがちです。
After:FlowSyncで実現する危険物在庫アプリの画面設計
ノーコード・ローコードアプリ開発ツールFlowSyncを使えば、危険物コード・ロット番号・保管場所・SDS情報を紐付けた入出庫自動記録アプリを、IT専任者がいない中小メーカーでも内製できます。
主要な画面・入力項目・ボタン
「入庫登録」ボタンを押すと、危険物コード(プルダウン選択)・ロット番号(バーコードスキャン対応)・保管場所コード・数量・入庫日時が1画面で入力できます。登録と同時に在庫マスタが自動更新され、紙への転記作業は完全ゼロになります。
在庫一覧から品目を選択すると、右側にSDS参照パネルが展開されます。改訂年月日と版番号が表示されるため、常に最新のSDSを1クリック・約3秒で確認できます。緊急時の対応手順もここから印刷出力(出力ファイル名:SDS_品目コード_日付.pdf)が可能です。
倉庫レイアウトをベースにしたビジュアルマップ上で、各保管区画の現在数量が色分け表示されます。保管上限の80%を超えると黄色、100%超で赤に変わるため、指定数量倍数の超過を視覚的に即座に把握できます。
従来:SDS確認に10〜15分/回を要するケースもある → FlowSync導入後:3秒/回に短縮。入出庫記録の転記作業(例:1回あたり約5分×月200件=約17時間)がほぼゼロになった事例が中小製造業で報告されています。
法規制対応アラートと在庫ロス削減の設計術
保管上限超過通知・使用期限切れ検知
FlowSyncのワークフロー機能を使うと、以下の自動アラートをノーコードで設定できます。
- 保管上限超過通知:各危険物の指定数量倍数の90%到達時点でメール+アプリ内通知を危険物保安監督者に送信
- 使用期限切れ検知:使用期限の30日前・7日前に担当者へプッシュ通知。期限切れロットは入出庫画面上で赤字表示
- SDS改訂リマインド:SDS登録日から2年経過したタイミングで自動リマインドを発行し、版管理の形骸化を防止
廃棄ロス自動集計ダッシュボード
期限切れ廃棄・過剰在庫廃棄は、出庫区分を「廃棄」に設定するだけで自動的にコスト計上されます。月次の廃棄ロス金額・廃棄ロット数・廃棄品目ランキングがダッシュボードに自動集計されるため、廃棄コストの見える化が実現します。ある塗料系中小製造業では、この仕組みを導入することで廃棄ロスを月平均約18万円→約4万円(廃棄量ベースで約78%削減)まで圧縮できた事例があるとされています。
内製化のステップ:危険物マスタ設計からアプリ構築まで
まず取り扱い全品目の危険物コード・危険等級・保管区分・指定数量をExcelで整理し、FlowSyncのマスタテーブルにインポートします。SDS PDFは品目コードをファイル名に統一(例:SDS_DG001_v3.pdf)してからクラウドストレージに格納し、マスタと紐付けます。
FlowSyncのフォームビルダーで入出庫登録フォームを作成します。危険物コードはマスタと連携したプルダウン、ロット番号はバーコード読み取り入力フィールドを設定。「登録」ボタン押下後に在庫集計テーブルへ自動反映されるワークフローをノーコードで接続します。
FlowSyncの条件付きアクション機能でアラートのトリガー条件(数量・日付)を設定し、通知先(メールアドレス・社内チャット)を指定します。ダッシュボードはFlowSync標準のチャートウィジェットを使い、廃棄ロス推移グラフ・保管場所別在庫量グラフを配置します。
マスタ設計からアプリ公開まで、IT専任者がいない中小製造業でも約2〜3週間での稼働も目指せるとされており、FlowSync内製化の大きなメリットのひとつです。外部開発委託費がゼロになるため、初期投資を大幅に抑えられます。
まとめ
- 現状把握:紙台帳・Excelの二重管理は属人化・法規制リスク・在庫ロスの温床。化学品・塗料メーカーに特有の危険物管理課題を直視することが出発点
- 解決策:FlowSyncで危険物コード・ロット番号・保管場所・SDS情報を一元管理するアプリを内製することで、SDS参照が10分→3秒、入出庫転記作業が月17時間→ゼロに
- 法規制対応:保管上限超過通知・使用期限切れ検知・SDS改訂リマインドの自動アラートでコンプライアンス対応を仕組み化し、担当者の記憶頼りの運用から脱却
- 次のアクション:まず自社の危険物品目リストを整理し、危険物マスタ設計から着手。FlowSyncのフォームビルダーで2〜3週間の内製スタートが現実的な目標