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CV値計算をExcel連携で自動化する殺菌工程管理術

AAnomaly編集部
目次

レトルト食品の殺菌工程管理、CV値・F0値計算をExcelから業務アプリへ自動化する設計術

殺菌記録用の温度ロガーからCSVを取り出し、Excelに貼り付けてF0値を手計算する——そんな作業を毎ロット繰り返している品質保証担当者は少なくありません。締め切り間際に計算式が崩れていないか不安になった経験はないでしょうか。


Excel手計算に潜むヒューマンエラーのリスク

レトルト食品の加圧加熱殺菌では、食品衛生法により「120℃4分相当」以上の殺菌値(F0値)を確保することが義務付けられています。F0値とは、殺菌温度と時間の履歴から微生物の死滅効果を積算した指標で、CV値(Cumulative Value:積算殺菌価値)とも呼ばれます。この計算は本来、温度履歴の1点1点を対数変換して積分するため、手計算では非常に手間がかかる作業です。

原因① 転記作業そのものがミスの温床になる

温度データロガーが記録した実測値をUSBやSDカードで取り出し、CSVを開いてExcelに手入力・コピー貼り付けする工程では、行ズレやセル参照ミスが起こりやすく、担当者が変わるたびに計算式の作り直しが発生します。

原因② 基準未達の見逃しに気づきにくい

Excelシートは計算はできても「基準を下回っている」ことを自動で知らせてくれません。目視確認に頼るため、繁忙期には見落としのリスクが高まります。HACCPは2021年6月に食品事業者への完全義務化が実施されており、記録の正確性と即時性が一段と重視されています。


温度データ自動取込みとCV値・F0値の自動計算設計

この課題を解決する鍵は、温度ロガーの実測データを業務アプリが直接取り込み、CV値・F0値の計算式をアプリ内ロジックとして固定化してしまうことです。Excelのようにセル参照が壊れる心配がなく、計算ロジックは一度実装すれば全ロットで同じ精度が保証されます。

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温度データ取込み画面でロガーのファイルを読み込む

担当者は「温度データ取込み」画面で温度ロガーのCSVファイルをドラッグ&ドロップし、「取込み実行」ボタンを押すだけです。ロットNo・製品名・殺菌開始時刻などの入力項目は事前にマスタと連携しているため、手入力は最小限に抑えられます。

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CV値・F0値をアプリが自動計算する

取込み後、アプリ内部で温度履歴を基準温度換算し、CV値・F0値を自動算出します。担当者は「計算結果確認」画面に画面遷移し、数値と判定結果を確認するだけです。

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殺菌記録帳票を自動出力する

判定確定後は「殺菌記録帳票_ロットNo.pdf」といった形式でファイルが自動生成され、そのまま社内サーバーや監査資料フォルダへ保存されます。

Before:温度ロガーのCSVを目視確認し、Excelにコピー貼り付け、関数を都度チェックしながらF0値を手計算。基準未達に気づかず出荷判断してしまうリスクが残る。

After:業務アプリの「温度データ取込み」画面でファイルをアップロードすると、CV値・F0値が自動計算され、「計算結果確認」画面に判定結果が即座に表示される。転記工程が1本減り、二重入力もなくなる。


基準値割れロットを自動検知するアラート設計

自動計算だけでは不十分で、基準を下回った場合に人が確実に気づける仕組みが必要です。ここで重要になるのがアラート機能の設計です。

この数値、基準未達なのに担当者が気づかないまま出荷ラインに流れていないか?
再殺菌が必要なロットを、誰が・いつ・どう止める仕組みになっているか?

F0値が基準を下回ったロットは、判定画面上で赤色表示に切り替わり、「出荷保留」ボタンを押すとロットステータスが自動更新される設計が有効です。あわせて品質保証責任者宛にメール通知が飛ぶようにすれば、再殺菌の指示や出荷停止の判断が遅れることを防げます。担当者が気づかないまま次工程に進んでしまう属人的なリスクを、システム側の仕組みで吸収する設計です。


HACCP監査対応とロット記録の一元管理

殺菌記録は、保健所やHACCP監査の際に提示を求められる重要書類です。Excel管理ではファイルが個人のPCに散在し、監査当日にファイルを探し回るケースも見られます。業務アプリ化すれば、ロットNoを検索キーに殺菌記録・原料ロット・出荷先までを一元管理でき、監査対応の資料準備工程そのものを短縮できます。

記録一元管理がもたらす効果

温度データ取込みから計算、判定、帳票出力までが同一データベース上でつながるため、「どのロットが、いつ、誰の確認で出荷されたか」を後から即座に追跡できます。紙の記録簿やバラバラのExcelファイルを突き合わせる作業がなくなります。


まとめ

  • 要点1:CV値・F0値計算をExcel手入力から業務アプリへ移行することで、転記工程とヒューマンエラーのリスクを構造的に減らせる
  • 要点2:温度データ自動取込み・自動計算・アラート機能を組み合わせることで、基準未達ロットの見逃しを防ぐ仕組みが作れる
  • 要点3:殺菌記録の自動保存とロット単位の一元管理は、HACCP監査対応の資料準備工程そのものを軽くする

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