IT導入ガイド読了 約4

既存システム刷新せずDXを進める分割発注という選択肢

AAnomaly編集部
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全面刷新の見積が高すぎたときに検討したい「分割発注」という選択肢

基幹システムの刷新を相談したら、見積書に書かれていたのは1,000万円を超える金額——。中小製造業の経営者やIT担当者から、こうした話をよく耳にします。予算が合わず、結局「今のExcelと紙の運用のまま」で止まってしまうケースは少なくありません。


全面刷新の見積が頓挫する中小製造業のリアル

基幹システム(企業の販売・生産・在庫・会計などの中核業務を支えるシステム)の刷新費用は、規模によって大きな幅があります。公開されている調査では、小規模な刷新で500万円程度、大規模になると1億円を超えることもあると言われています。いわゆる「2025年の崖」が話題になって以降も、中堅・中小企業では検討自体が進んでいない企業が多いのが実情です。

理由の一つは、見積の桁が経営判断のハードルを大きく超えてしまうことです。「刷新したい」という気持ちはあっても、稟議が通らず、結局は既存システムを刷新せずに使い続ける、という選択を取らざるを得ない企業が少なくありません。


なぜ見積が高額になるのか:内訳を分解する

要因① 対象業務範囲の広さ

見積もり、原価計算、生産管理、在庫管理、会計連携まで一気に対象にすると、要件定義だけで数ヶ月かかり、開発費も比例して膨らみます。

要因② 拠点数・部門数

本社と工場、複数の生産拠点がある場合、それぞれの現場フローや帳票様式の違いを吸収する設計が必要になり、カスタマイズ工数が増加します。

要因③ 既存データ移行のコスト

長年蓄積したExcelファイルや紙帳票、旧システムのデータを新システムへ移行する作業は、想定以上に複雑化しがちです。公正取引委員会の調査でも、データ移行時の高額見積もりを理由にシステム変更自体を断念する事例が指摘されています。

つまり、見積が高額になるのは「全部を一度に変えようとする」ことが最大の原因です。範囲を絞れば、費用構造そのものが変わります。


分割発注という選択肢:基幹は残し、業務単位でアプリ化する

ここで有効なのが「分割発注」の考え方です。基幹システムは無理に刷新せず、そのまま残します。その上で、見積書作成、原価表管理、生産管理表、日報集計といった業務単位で個別に業務アプリ化していくアプローチです。

段階的モダナイゼーション(システム全体を一気に変えず、フェーズごとに刷新していく進め方)であれば、300万〜1,500万円程度に費用を抑えられるという情報もあります。2026年に向けたベンダー各社の発信でも「全面刷新ではなく、既存システムを残しつつ周辺業務をアドオン的にアプリ化する」流れが繰り返し言及されています。

この方式なら、既存システム 刷新せず DXを進めるという、多くの中小企業が本当に求めている落としどころに近づけます。


分割発注の落とし穴:発注先がバラバラだと連携が破綻する

ただし、分割発注には注意点があります。業務ごとに別々の会社へ発注すると、それぞれのアプリが独自のデータ形式・独自のファイル出力で動いてしまい、後で連携させようとした時に破綻するのです。

見積アプリから出力したCSVが、原価表アプリの取り込み画面でそのまま読み込めるか?
生産管理表の「品番」フィールドと、在庫管理システムの「品目コード」は同じ体系になっているか?

こうした確認を後回しにすると、結局「Aシステムの出力をExcelで手直ししてからBシステムに入れる」という、刷新前と変わらない二重入力の工程が生まれてしまいます。

最初に固めるべきこと:インターフェース設計

分割発注を始める前に、各業務アプリ間でやり取りするデータ項目、ファイル形式、連携タイミングを一枚の設計図にまとめておくことが重要です。発注先が複数社にまたがっても、この設計図さえ共有されていれば、後からの手戻りを大幅に減らせます。


スモールスタートの進め方

分割発注を成功させるコツは、いきなり複数業務を並行発注しないことです。優先度の高い1業務から着手し、効果を確認してから次に広げていく手順が現実的です。

1
最も手作業が多い業務を1つ選ぶ

例えば見積書作成や日報集計など、Excelでの転記・集計に時間がかかっている業務を最初のターゲットにします。

2
業務アプリの画面構成を具体的に決める

「見積依頼一覧」画面から「新規見積作成」ボタンを押し、品番・数量・単価を入力すると「見積書PDF出力」ボタンで帳票が生成される——といった画面遷移を先に固めます。

3
Before/Afterを確認する

Before:Excelで見積書を作成し、担当者ごとにファイル名がバラバラで、原価表への転記も手作業。After:業務アプリの「見積作成」画面で入力すると、原価表アプリへ自動連携され、転記工程そのものがなくなる。

4
費用対効果を確認してから次へ拡張する

1業務での効果を確認できたら、次に生産管理表や在庫管理へと対象を広げます。全体を一度に発注しないことで、予算超過のリスクを抑えられます。

なお、こうした段階的なアプローチを飛ばして、いきなり全社的なAI導入や全面刷新を目指してしまい、現場に定着せず失敗するパターンも多く見られます。典型的な失敗の傾向については、製造業のAI導入が失敗する典型パターンと対策でも詳しく解説していますので、あわせて確認してみてください。


まとめ

  • 全面刷新の見積が高額になるのは、業務範囲・拠点数・データ移行コストを一度に抱え込んでいることが原因
  • 既存システムを刷新せず残しつつ、業務単位でアプリ化する「分割発注」なら費用を抑えながらDXを進められる
  • 分割発注はインターフェース設計を最初に固めないと、データ連携が破綻し二重入力が復活するリスクがある
  • 優先度の高い1業務からスモールスタートし、効果を確認してから拡張する進め方が現実的

本記事はAIを活用して作成しています。内容についての責任は当社が負います。AI活用ポリシー