製造業DX読了 約5

食品製造業がFlowSyncでバッチ別・配合別採算原価をリアルタイム可視化|原材料高騰対応の価格転嫁設計術

AAnomaly編集部
目次

「先月のバッチ、結局いくらで作ったのか——答えが出るのは翌月末」。そんな状況で原材料が10〜30%値上がりし続けているとしたら、どの品番が赤字になっているかさえ、リアルタイムでは誰にもわからない状態です。


【Before】月次Excel集計が招く「赤字品番の放置」リスク

食品製造業では、原材料費が総コストの60〜70%を占めるとされています。2025〜2026年も円安や農産物の不作が続き、小麦・油脂・砂糖類が前年比10〜30%超で高止まりするケースが相次いでいるとされています。にもかかわらず、多くの中小食品メーカーの原価管理は依然としてExcelベースの月次集計に依存しています。

よくある「月次Excel集計」の限界

製造日報・仕入伝票・廃棄記録をそれぞれ別ファイルで管理しているため、バッチ単位・配合レシピ単位の実際原価を出すには、担当者が手作業でVLOOKUPを組み直す必要があります。

集計作業だけで月20〜30時間を要するとされており、原価確定が翌月末になることも珍しくありません。その間に同じ配合で数百バッチを追加製造してしまい、赤字を量産してから気づくという構造的リスクがあります。

「値上げ交渉したいのに、どの製品がどれだけ赤字か数字で出せない」
「配合を少し変えたら原価が改善するのかどうか、シミュレーションする時間がない」

こうした課題を解消するために、FlowSyncを活用したバッチ別・配合別採算原価のリアルタイム可視化の設計術を解説します。


【FlowSync設計術】バッチ・配合別原価を自動集計するデータ構造と画面

FlowSyncでの構築ポイントは、1データの入力粒度、2自動集計ロジック、3アラート設計の3層に整理できます。

入力粒度:バッチ番号と配合番号を起点にする

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製造実績入力画面:バッチ番号・配合番号・仕込数量を記録

製造開始時に「バッチ番号」(例:B250601-023)と「配合番号」(例:R-SAUCE-04)を選択するだけで、登録済みの標準レシピ(原材料・配合比率・加工工程)が自動展開されます。実投入量・廃棄ロス量をその場で入力すると、リアルタイムで実際原価の計算が走ります。

2
原材料費の自動取り込み:仕入単価マスタとの連携

FlowSyncの仕入単価マスタは有効期間付きで管理します。原材料の価格改定があった日付を登録すると、それ以降のバッチには自動的に新単価が適用されます。担当者が「あの仕入れの値上がりをExcelに転記し忘れた」という計算ミスが構造的に発生しません。

3
廃棄ロス率・加工費配賦を自動計算

廃棄ロスは「廃棄数量入力欄」に実績値を入れると、歩留まり率(良品数÷仕込数量)が自動算出され、原材料費に加算されます。加工費(光熱費・人件費)は設備ごとの時間単価マスタと実稼働時間から自動配賦されます。出力される帳票名は「バッチ別採算原価計算書.xlsx」として、ボタン1クリックでダウンロードできます。

この設計により、1バッチあたりの原価確定にかかる時間が従来の平均45分→約30秒に短縮されるとされています。月次集計で翌月末まで判明しなかった実際原価が、製造当日中に可視化されます。


【After】配合別採算悪化アラートと粗利ランキングがリアルタイム更新

FlowSyncのダッシュボード画面は、管理者がログインした瞬間に以下の情報をリアルタイムで表示します。

ダッシュボード表示項目①:配合別採算悪化アラート

設定した粗利率の下限閾値(例:15%)を下回った配合番号が、赤バッジで自動ハイライトされます。「R-SAUCE-04:今週の粗利率9.2%(前週比−6.1pt)」のように、週次トレンドも併記されるため、どの配合が・いつから・どの程度悪化したかを即座に特定できます。

従来は月次集計後に人手でExcelを見比べていた作業が、アラート発生から担当者への通知まで全自動になります。

ダッシュボード表示項目②:取引先別粗利率ランキング

納品先(取引先)ごとに、直近30日・90日の粗利率を自動集計してランキング表示します。「納品先Aへの配送ルートの製品群:粗利率8%台が続いている」といった気づきが、月次レポートを待たずに日次で確認できます。値上げ交渉の優先順位付けに直接活用できます。

このダッシュボードにより、原価異常の発見から対策着手までのリードタイムが平均23日→当日〜翌営業日に短縮されるとされています。月間で見ると、損失が拡大する前に手を打てるバッチ件数が月1〜2件→月15〜20件規模になります。


【価格転嫁への活用】値上げ交渉の根拠帳票を即日出力する設計

原材料高騰時に最も重要なのは、「なぜ、いくら値上げが必要か」を数字で説明できる根拠資料を素早く用意することです。FlowSyncでは以下のフローで対応します。

1
配合別コスト増加額の自動シミュレーション

仕入単価マスタの「値上げ後単価(仮)」欄に新しい価格を入力すると、全配合番号に対して「現在原価→値上げ後原価」の差額と粗利率変化が一覧で試算されます。担当者が手作業でExcelのセルを書き換える必要はありません。

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「価格転嫁根拠帳票」ボタンで即日出力

取引先を選択し「価格転嫁根拠帳票を出力」ボタンを押すと、その取引先向け製品に使われている原材料の値上がり前後の単価推移グラフ・配合別コスト増加額・要請値上げ幅の計算根拠が1枚のPDFにまとまった「価格改定依頼書_[取引先名]_[日付].pdf」が生成されます。

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値上げ交渉の実績管理と効果測定

交渉結果(合意単価・合意日・適用開始日)をFlowSyncに入力すると、以降のバッチ原価計算に新販売単価が反映され、粗利率改善の効果がダッシュボードでリアルタイム確認できます。「値上げしたのに利益が出ていない」という状況の早期発見にもつながります。

この設計により、原材料値上がり通知から取引先への価格改定依頼書提出までのリードタイムが平均2〜3週間→1〜2営業日に短縮されます。スピード感のある価格転嫁対応が、収益防衛の鍵になります。


まとめ

  • 月次Excelによる原価集計の遅れが、赤字品番の放置と価格転嫁機会の損失を招く最大の原因
  • FlowSyncでバッチ番号・配合番号・仕入単価マスタを連携させることで、バッチ別・配合別採算原価が製造当日にリアルタイム確定する仕組みを内製できる
  • 配合別採算悪化アラートと取引先別粗利ランキングのダッシュボードにより、原価異常の発見から対策着手まで当日〜翌営業日に短縮されるとされている
  • 「価格転嫁根拠帳票を出力」ボタン1つで値上げ交渉の根拠資料が即日生成され、原材料高騰への対応スピードが2〜3週間→1〜2営業日に変わる
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