「コンパウンド(ゴム配合原料)のコストは上がっているのに、どの品番が採算ギリギリなのか、担当者にしか分からない——」そんな三重苦の現場を抱えるゴム製品メーカーの経営者・IT担当者が、FS Blueprintを使って半日で業務棚卸しと内製化優先順位を決める具体的な手順を解説します。
【なぜ今か】ゴム製品メーカーで受注〜配合〜採算管理のデジタル化が急がれる背景
天然ゴム・合成ゴム・カーボンブラックなどのコンパウンド原料価格は、ここ数年で20〜40%超の上昇が続いています。見積時点の原価と実際の払出コストが乖離したまま受注が進み、「出荷してみたら赤字だった」という事態が現場で常態化しています。
ゴム製品メーカーでは、1社あたり数十〜数百の品番を抱えながら、1ロット数kgという少量指示が飛び交います。配合番号と製品番号が1対多で対応するケースも多く、どの配合でどの製品を何kg製造したかを後から追うのが困難になりがちです。
取引先別・品番別の採算計算を、経験豊富なベテラン担当者だけが頭の中やExcelで管理しているケースが大半です。担当者が異動・退職すると採算管理のロジックごと消えるというリスクが放置されています。
「ゴム製品製造の取引先別利益をAIで可視化したい」という検索需要が急増中。まず必要なのはAIより先に「どの業務データをどの順番でデジタル化するか」の棚卸しです。FS Blueprintはその最初のステップを設計するためのツールです。
【FS Blueprint実践】受注から採算管理までの業務フローを一覧化する手順
FS Blueprintでは、業務フローを「画面単位」で構造化して一覧化します。ゴム製品メーカーの受注〜出荷〜採算管理の典型的なフローは以下のように整理できます。
入力項目は「取引先コード」「製品品番」「受注数量(kg/個)」「希望納期」「受注単価」の5項目が基本。ここで受注番号が自動採番されます。現状がExcelや口頭受付の場合、このボタン操作1回で採算計算のスタートラインが揃います。
製品品番を選択すると、登録済みの配合マスタ(コンパウンド種別・配合比率・加硫条件)が自動紐付けされます。「配合番号発行」ボタンを押すと、配合指示書PDFが出力され、現場への指示が即座に完了します。
「払出数量(kg)」を入力すると、コンパウンドの直近購入単価で原料費が自動計算されます。この画面が埋まることで初めて「受注ごとの実コンパウンド費」がデータになります。
加工工程での廃棄ゴム重量と「理由区分(成形不良/混練ミス/トリミングロス等)」を入力します。この記録が後工程の採算計算に反映され、廃棄ロス率レポート(CSV出力)として月次確認できます。
受注単価 − コンパウンド費 − 加工費 − 廃棄ロス費 = 粗利、がリアルタイムで表示されます。「取引先別採算レポート出力」ボタンから採算一覧.xlsxが出力でき、経営会議への提出が即可能になります。
After:採算管理サマリ画面を開くだけでリアルタイム集計が約10秒で完了。転記ミスゼロ、月次会議の資料準備が当日30分に短縮。
【棚卸しワーク】3軸スコアリングでFlowSync内製化の優先順位を半日で決める
FS Blueprintの棚卸しワークシートでは、洗い出した業務ステップを以下の3軸でスコアリングします。各軸を1〜5点で評価し、合計点の高い業務から内製化対象として優先します。
「週5回以上=5点」「週1〜4回=4点」「月数回=3点」「月1回=2点」「不定期=1点」で評価。ゴム製品メーカーでは受注登録・コンパウンド払出記録は毎日発生するため頻度スコアが高くなります。
その業務がデジタル化されることで「採算可視化」「ロス削減」「顧客対応速度」のどれに効くかを評価します。コンパウンド払出→採算管理の連携は影響度5点になるケースがほとんどです。
「担当者が1人しか対応できない=5点」「マニュアルがない=+1点補正」で評価。採算計算や配合番号管理は属人化度が高くなりやすい領域で、離職リスクが高い業務として優先度が上がります。
午前中2時間でフロー洗い出し、午後2時間でスコアリングと優先順位確定——合計4時間(半日)で内製化ロードマップの初版が完成します。FS Blueprintのワークシートはこの流れに沿った構成になっています。
【次のアクション】棚卸し結果からFlowSync移行対象を特定し、最初の1画面を設計する
棚卸しスコアで上位に入った業務が、FlowSyncで最初に内製化する「ファースト画面」の候補です。ゴム製品メーカーのケースでは、多くの場合「受注登録画面」か「コンパウンド払出記録画面」がスコア最上位になります。
優先順位1位の業務について、「入力項目リスト」「ボタン名と遷移先」「出力ファイル名」の3点をFS Blueprintのテンプレートに記入します。この段階でエンジニア不在でも画面設計の8割が完成します。
画面仕様シートをもとに、FlowSyncの管理画面でフォーム項目をドラッグ&ドロップで配置します。コンパウンド払出記録画面であれば、最短2〜3日で試作画面が完成し、現場での試験運用が始められます。
1〜2週間の試運用で蓄積された払出データと採算サマリを見て、計算ロジックの誤りや入力漏れを修正します。ここで「現場に合った入力画面」に育てることが内製化成功の核心です。
まとめ
- ゴム製品メーカーはコンパウンド高騰・多品種少量・採算の属人化という三重苦を抱えており、デジタル化の優先順位設定が急務。
- FS Blueprintを使えば受注登録→配合番号発行→コンパウンド払出→廃棄ロス記録→採算管理サマリまでの業務フローを半日で一覧化できる。
- 頻度・影響度・属人化度の3軸スコアリングで、FlowSync内製化の優先順位を感覚ではなく数値で決定できる。
- 棚卸しスコア上位の業務から「最初の1画面」を設計→FlowSyncで実装→試運用という流れで、現場に定着するシステムを最短距離で構築できる。